「敷地内薬局の“抜け道”にメス?中医協が示す公平性と地域医療のはざま」
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🐼ヘルスケアとお金に関わる難しいことをシンプルに解説します
おはようございます☀️ももんがパピです。
今日もヘルスケアやお金に関するニュースをわかりやすく解説して、
読者の皆様方のヘルスリテラシー向上にお役に立てれば幸いです。
🩷今日のテーマに込めた想い
今日のテーマに込めた想い──それは、「医薬分業の“理想”と“現実”のズレ」をもう一度見つめ直すことです。
病院のすぐ隣に薬局がある。
これ、一見「便利!」と思うかもしれませんよね。
でもその“便利さ”の裏に、制度の抜け道や不公平なルールが潜んでいるとしたら?
今回のニュースは、「敷地内薬局」と呼ばれる仕組みに焦点が当たっています。
もともと「病院と薬局を分ける=医薬分業」という考え方は、
薬の安全性を高め、チェック機能を保つために導入されたもの。
ところが、いつの間にか“病院の敷地内にある薬局”が増え、
形だけの分業になってしまっているケースもあるんです。
中医協(中央社会保険医療協議会)では、
この「敷地内薬局」に対する特別調剤基本料Aという仕組みをどう見直すかが議論されました。
「抜け道的な運用を放置していいのか?」
「でも、医療過疎地では必要なケースもある」
──この議論、実は“医療の公平性”と“地域の現実”のせめぎあいなんです。
✅3つの要点
✅①「ただし書き」という“抜け道”が問題になっている
もともと「特別調剤基本料A」は、病院と経済的につながりが強い薬局を対象に、
評価(報酬)を下げる制度です。
でも“ただし書き”という例外ルールがあって、
「同じ建物に別の診療所がある場合」は除外される、という穴がありました。
これを使って“形式的に別の診療所を作る”ことで、
報酬引き下げを回避する事例が見つかっているのです。
✅②「公平性をどう保つか」が大きな論点
中医協の委員からは、「制度の趣旨を逸脱している」との声が相次ぎました。
中には「ただし書きを削除すべき」との意見も。
“ルールを守る人が損をする制度”では、信頼が崩れます。
医療機関・薬局の独立性をどう担保するかが、
医療の公平性のカギになっています。
✅③「地域の現実」も忘れてはいけない
一方で、離島や山間部など“薬局がない地域”では、
病院の敷地内に薬局を作らないと患者さんが薬を受け取れないケースも。
そのため、「条件を明確にすれば、例外的に認めるべき」という意見も出ました。
つまり、“ルールを厳しくする”だけでなく、“地域の命を守る柔軟さ”も必要なのです。
💊メディマネブログ本文
「こんなニュース」をわかりやすく解説します。
🗓ニュースの概要
2025年10月27日のニュース。
中医協総会で、「敷地内薬局に対する特別調剤基本料A」の見直しが議論されました。
背景にあるのは、“抜け道”問題。
病院の敷地内に薬局を設けても、形式的に別の診療所を同じ建物に置くことで、
制度上「特別調剤基本料Aの対象外」になってしまう。
この仕組みを利用して、実質的には病院直結なのに評価を下げられない薬局があるのです。
🐼パンダ君とハムスターちゃんの会話で解説🐹
ハムスターちゃん:「パンダ君〜、“敷地内薬局”ってなあに? 病院の隣の薬局のこと?」
パンダ君:「そうそう。病院の敷地内にある薬局のことだよ。
本来、“医薬分業”っていって、病院と薬局を分けることでお薬の安全性を高める仕組みなんだけど、
あまりにも近すぎると、独立してるとは言いにくいよね。」
ハムスターちゃん:「でも近くにある方が便利だし、患者さんは助かるよね?」
パンダ君:「うん、そこが難しいところ!
たとえば“特別調剤基本料A”っていうルールでは、
病院と関係が強い薬局は“ちょっと点数を低くしましょう”って決まりがあるんだ。
でも、『同じ建物に別の診療所がある場合は除外します』っていう“ただし書き”があるせいで、
わざと診療所を入れて抜け道にしてる薬局もあるんだよ。」
ハムスターちゃん:「えっ!? わざと別のクリニックを入れて逃げちゃうの?💦
なんかゲームの裏技みたい!」
パンダ君:「そうそう。“制度の裏技”だね。
これを使うと、形式的にはセーフでも、
実質的には病院直結の薬局と変わらない。
だから日本医師会の江澤委員は『公平性の観点から削除を検討すべき』って言ったんだ。」
💬ルールを守る人が損をしない仕組みに
ハムスターちゃん:「なるほど〜。でも全部の敷地内薬局が悪いわけじゃないよね?」
パンダ君:「もちろん!
離島やへき地では、薬局そのものが足りない地域もある。
そういうところでは、病院の中や近くに薬局を置かないと、
患者さんが薬を受け取れなくなっちゃう。
だから支払側の松本委員は『条件を明確にすれば例外を認めてもいい』って言ってる。」
ハムスターちゃん:「うーん、難しいね。
厳しくすれば公平になるけど、困る人も出ちゃうし……」
パンダ君:「そうなんだ。
だから中医協では、“どこまでが適正な敷地内薬局なのか”を調査してから見直すことになったんだよ。
一部では“グループ減算”──つまり、大手調剤チェーン全体にペナルティをかける案も出ているよ。」
⚖️医薬分業の原点に立ち返る
ハムスターちゃん:「パンダ君、そもそも医薬分業ってなんで始まったの?」
パンダ君:「いい質問だね!
昔はお医者さんが自分で薬を出していたんだけど、
“薬のチェックが二重にできるように”ってことで、
薬局で調剤する仕組みが広まったんだ。
つまり、病院と薬局が独立していることで、
患者さんにとって“もう一つの安全の目”が増えるわけ。」
ハムスターちゃん:「なるほど!
でも、病院の中に薬局があると、それが機能しなくなっちゃうかもしれないね。」
パンダ君:「そう。
支払側の松本委員も『不適切な医薬分業を止めるには、
院内処方と院外処方の報酬格差を見直すべき』って話していたよ。
つまり、病院と薬局の距離だけじゃなくて、
“どう分担して患者さんを守るか”が大事なんだね。」
🧭これからの方向性
今後は、医療経済実態調査(薬局や病院の経営データ)を踏まえて、
どんな形が「真の医薬分業」なのかを検証することになります。
制度を悪用して利益を得る動きがあれば厳しく、
でも地域医療を支える薬局には柔軟に──。
中医協の議論は、医療とお金、そして公平性の“ちょうどいいバランス”を探る試みなんです。
パンダ君:「制度って、“一部のズルい人”がいると、みんなが困るんだよね。」
ハムスターちゃん:「うん。でも、ちゃんと見直そうって動きがあるのはいいことだね!」
パンダ君:「そう。ルールを守る人が報われる仕組みをつくることこそ、医療の信頼につながるんだよ。」
📚まとめ
今回の中医協の議論は、
単なる「点数の見直し」ではなく、
**“医薬分業の理念をどう守るか”**という原点の問いかけでした。
・抜け道を塞ぐためのルール厳格化
・地域医療を守るための柔軟性
・公平で透明な制度運用
この三つをどう両立するか。
“シンプルにわかる”ように言えば──
**「ズルは許さないけど、困ってる人も見捨てない」**というバランスが求められているのです。
📖引用元
また、本記事の引用元は以下になっております。
・タイトル:中医協 敷地内薬局の特別調剤基本料Aの除外規定「削除含め検討を」 診療側・森委員「グループ減算も」
・URL:https://www.mixonline.jp/tabid55.html?artid=79164&ex251027e

