「患者のため」は“売上のため”? 製薬業界が見つめ直す「患者中心経営」の本当の意味|ミクス調査で見えた意識の変化
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🐼ヘルスケアとお金に関わる難しいことをシンプルに解説します
おはようございます☀️ももんがパピです。今日もヘルスケアやお金に関するニュースをわかりやすく解説して、読者の皆様方のヘルスリテラシー向上にお役に立てれば幸いです。
🩷今日のテーマに込めた想い
今日のテーマは「患者中心と企業の利益は両立するの?」という話です。
一見、理想と現実がぶつかるテーマに思えますよね。
「患者さんのために」って言うけれど、会社は営利企業。
薬を作って売って、利益を出してなんぼ。
じゃあ“患者貢献”って本気でできるの?
……そんなモヤモヤに答えをくれたのが、今回のミクス調査です。
アンケートでは、なんと8割の社員が「患者価値の向上は長期的な売上につながる」と回答。
つまり、“いいことをすれば会社も伸びる”という考え方が、少しずつ広がっているのです。
私はこのニュースを読んで、心の中で「ようやく来たか…!」とつぶやきました。
医療って、本来は「仕組み(制度や技術)」と「心(人を思う気持ち)」がセットで動くもの。
でも現場では、売上やKPIに追われて、“患者さんの笑顔”がどこか後回しになってしまう瞬間が少なくありません。
今日は、そんな製薬業界の“理想と現実”を、
いつものように🐼パンダ君と🐹ハムスターちゃんと一緒に、
小学生でもわかるように解説していきます。
✅3つの要点
✅① 「患者中心」はキレイごとではなく“戦略”になってきた
かつては「CSR(社会貢献)」の一部だった“患者志向”が、今や事業のど真ん中に。
製薬各社が「患者中心の医療」を掲げるのは、単なる理想ではなく、“長期的な信頼と売上を生む仕組み”として機能し始めています。
つまり「いいことをすれば儲かる」というより、“信頼を積み上げることが利益の土台”になっているのです。
✅② 内資より外資が一歩先。文化の違いが「患者志向」の意識差に
調査では「患者貢献と売上は補完関係」と答えた割合が、**外資系社員で53.7%、内資系では30.4%**と倍近い差がありました。
外資では「Purpose(存在意義)」を明確にし、ビジネスと社会的価値をつなぐ文化が根づいています。
日本企業も“理念を浸透させるだけでなく、行動に落とす力”が問われる時代に入っているのです。
✅③ 短期目線より「長期の信頼」。それが“患者価値”という未来投資
短期の売上と患者価値の両立はまだ16.5%。
でも、8割以上が“長期的にはつながる”と信じています。
すぐに数字にならなくても、患者さんの声を聞き、信頼を積み上げることが、未来の薬・治療・ブランドを育てる“投資”になるのです。
📰こんなニュースをわかりやすく解説します
2025年10月15日のミクスOnlineの調査ニュースです。
タイトルは――
「8割が『患者価値向上は長期的売上に』 患者貢献と売上は対立でなく補完関係 外資系で強く」
これは、ミクス編集部と中央大学ビジネススクール・真野俊樹教授の研究チームによる共同調査。
製薬企業の営業系社員101名を対象に行われたアンケートで、
「企業理念としての患者志向」がどこまで浸透しているかを調べたものです。
🧠調査のポイントをやさしく整理!
🌟1.社員の6割が「うちの会社の理念=患者志向」と答えた!
つまり、今の製薬会社では「患者さんのために」という言葉が、
かなり広く共有されているということです。
🐼パンダ君:「なるほど、今どきの会社は“患者第一”が当たり前なんだね」
🐹ハムスターちゃん:「でもさ、実際は“営業目標第一”なんじゃないの?」
──いい質問です、ハムスターちゃん。
実は、現場のリアルはその間にあります。
理念は理解されているけれど、“売上ノルマ”のプレッシャーが現場の判断に影を落とすことも。
だからこそ、今回の調査が意味を持ちます。
🌟2.「自分の仕事が患者貢献につながっている」と感じる人:81.4%!
すごい数字ですよね。
直接患者さんに会うMR(医薬情報担当者)だけでなく、
マーケティング部や学術部など“裏方”も含めて、
8割以上が「自分の仕事は間接的に患者のためになっている」と答えたのです。
🐼パンダ君:「つまり、みんな“自分も誰かを支えてる”って思ってるんだね」
🐹ハムスターちゃん:「そういう気持ちがあれば、仕事もやる気出そう!」
まさにその通り。
医療業界では、日々の業務が“直接見えない支援”につながっています。
電話一本、資料一枚でも、最終的には患者さんの笑顔を作る一部。
この意識が広がることが、“患者中心経営”の第一歩です。
🌟3.「患者中心の医療」を戦略に入れている部署も半数超!
「担当製品の戦略プランに“患者中心の医療”を含めている」と答えた社員は55.7%。
特に、**製品学術部では75%**がそう回答しています。
これはすごいこと。
つまり、“商品戦略=患者の視点”という考え方が、社内で当たり前になりつつあるのです。
🐹ハムスターちゃん:「昔は“シェア拡大!”とか“競合に勝つ!”とかだったよね」
🐼パンダ君:「今は“患者さんが選ぶ理由”が大事なんだね」
そうなんです。
**患者体験(Patient Experience:PX)**を重視する時代。
薬を出すだけでなく、「どんな支援をすれば続けられるか」「副作用への安心感をどう作るか」までが企業の仕事になってきました。
💡なぜ「患者中心」が長期的な売上につながるの?
それは、信頼の積み重ねがブランドの持続力を生むからです。
例えば、
🐼パンダ君が「この薬は安心して飲める」と感じたら、次に病院で同じ薬を出されたときも拒否感がない。
🐹ハムスターちゃんが「この会社のサポートが丁寧」と感じたら、家族にも勧める。
こうした“信頼の連鎖”こそが、短期の売上では測れない長期的価値になります。
逆に、どんなに宣伝しても、
「副作用の説明が雑」「問い合わせ対応が遅い」と感じたら、
その会社への信頼は一気に下がってしまいます。
🧭内資と外資の違いもくっきり
調査では、
「患者貢献と売上は補完関係だ」と考える人が、
外資系社員では53.7%、内資では30.4%。
🐹ハムスターちゃん:「なんでそんなに差があるの?」
🐼パンダ君:「たぶん“Purpose”の考え方が違うんだよ」
そう、外資系企業では**「Why(なぜやるか)」=目的の明確化**が組織文化の中心にあります。
たとえば、ジョンソン・エンド・ジョンソンの有名な“クレドー(信条)”にはこう書かれています。
「私たちは、患者、医師、看護師、そしてすべての利用者に対して最も大きな責任を負う。」
つまり、「患者のため」が“前提条件”なんです。
そのうえで利益を追う。
だから、理念が現場の行動に直結しやすい。
一方、日本企業では理念は立派でも、
「それを日々のKPIや評価にどうつなげるか」という“翻訳”がまだ発展途上。
ここが次の課題といえるでしょう。
💬パンダ君とハムスターちゃんのまとめ会議
🐼パンダ君:「結局、“患者のため”って言葉を口で言うだけじゃダメなんだね」
🐹ハムスターちゃん:「行動に変えないと意味がない! でも行動ってどうすれば?」
🐼パンダ君:「たとえば、患者さんの声を戦略に取り入れたり、サポートを改善したりだね」
🐹ハムスターちゃん:「そうすれば、患者さんも安心するし、結果的に会社も信頼される!」
──そう、まさにそれがこのニュースの核心です。
“患者の安心”は“会社の信頼”。
そして信頼は、最も強いマーケティング資産なのです。
🌱ももんがパピのひとことまとめ
医療の世界では、“売上”と“善意”を対立軸で語りがちです。
でも本来、**「人のためにすること」が「自分たちの未来を育てること」**なんですよね。
患者の声を聞き、寄り添い、改善を続ける。
それが結果的に、企業の信頼と売上を支える。
これが「患者中心経営(Patient Centric Business)」の本質です。
医療もビジネスも、結局は“信頼の積み重ねゲーム”。
その意味で、今日の調査は未来への希望を感じさせるものでした。
📚引用元
また、本記事の引用元は以下になっております。
・タイトル:8割が「患者価値向上は長期的売上に」 患者貢献と売上は対立でなく補完関係 外資系で強く
・URL:https://www.mixonline.jp/tabid55.html?artid=79101&ex251015e

