「診療所いじめ?」日医が財務省に怒りの抗議──“医療費削減”の裏で揺らぐ地域医療の現実


🐼ヘルスケアとお金に関わる難しいことをシンプルに解説します

おはようございます☀️ももんがパピです。
今日もヘルスケアやお金に関するニュースをわかりやすく解説して、読者の皆様方のヘルスリテラシー向上にお役に立てれば幸いです。


🩷今日のテーマに込めた想い

今日のテーマは、日本医師会・松本会長が「財務省に怒りの抗議をした」というニュースです。
財務省が「診療所の報酬は高すぎる」「適正化すべきだ」と主張したことに対して、松本会長が「越権行為だ」「怒りでしかない」と反論した内容でした。

なぜこのテーマを取り上げたかというと──
“医療費削減”という言葉の裏には、実は「私たちの受診機会」「かかりつけ医との距離」「地域医療の安全」が直結しているからです。

財政的な数字だけを見れば、「医療費を減らせば国の負担が減る」と見えるかもしれません。
でも、実際には「医療機関の経営悪化」「医師や看護師の人手不足」「診療所がなくなる地域」が増えるリスクが潜んでいます。

つまり、“お金を削ること”が“命を削ること”につながる危険があるのです。
今日はこの話題を、パンダ君とハムスターちゃんと一緒に、わかりやすく紐解いていきたいと思います。


✅3つの要点

✅① 「医療費を削る=ムダを省く」ではない
医療費削減と聞くと、“無駄遣いのカット”と思いがち。でも実際は、診療所の利益率は平均2.5%。多くの診療所がギリギリの経営をしています。たとえば年商1億円なら利益は約250万円。これで人件費や家賃を払えば、残るのはほんのわずかです。
「医療費を減らす=ムダを省く」ではなく、「地域医療を弱らせる」可能性がある点を理解することが大切です。

✅② 「越権行為」とは何を意味する?
今回、財務省が“診療報酬の個別項目”にまで口を出したことを、日医は「越権行為」と抗議しました。
通常、診療報酬改定の議論は「中医協(中央社会保険医療協議会)」で行われます。財務省がそこを飛び越えて「診療所の報酬を削れ」と主張するのは、いわば“医療の現場に土足で踏み込む”行為なのです。
制度のバランスを守るには、「誰がどの立場で発言するか」もとても重要なのです。

✅③ 「真水の改定」が必要な理由
松本会長が訴えた「真水の改定」とは、“他の予算を削って医療に回す”のではなく、“純粋に医療への投資を増やす”という意味です。
医療や介護は人の手で支えられており、物価上昇や人件費の増加のなかで、ここに十分なお金が回らなければ現場が崩壊してしまいます。
「お金を減らす」より「命を守るために投資する」という視点に切り替えることが、これからの社会に必要です。


📰こんなニュースをわかりやすく解説します

(2025年11月7日公開:MixOnlineより)

日本医師会の松本吉郎会長は、財務省が診療所の報酬適正化に踏み込んだことに対し、「極めて遺憾であり、越権行為だ」と強く抗議しました。
財務省は、診療所の利益率が病院より高いとして「診療所の報酬を見直すべき」と主張しましたが、松本会長は「地域医療を守る診療所は、利益がなければ維持できない」と反論しました。


🐼パンダ君とハムスターちゃんの会話で学ぼう


🐹ハムスターちゃん

ねぇパンダ君。最近ニュースで「医療費削減」ってよく聞くけど、それって良いことじゃないの?ムダを省くってことだよね?


🐼パンダ君

確かに“ムダをなくす”って聞こえはいいけど、実はそう単純じゃないんだよ。
今回、財務省が「診療所の報酬を減らせ」って言ったんだけど、診療所の利益って平均で**たった2.5%**しかないんだ。


🐹ハムスターちゃん

えっ、2.5%!?
お店のポイント還元より少ないじゃない!


🐼パンダ君

そうそう(笑)。
たとえば年に1億円の収入がある診療所でも、残るのは250万円くらい。
そこから職員さんの給料や家賃を払うから、実際は赤字スレスレなんだよ。


🐹ハムスターちゃん

それなのに「儲けすぎ」って言われちゃうの?かわいそう…。


🐼パンダ君

うん。しかも財務省は「かかりつけ医の報酬も見直せ」って言ってるんだ。
でもね、かかりつけ医って“地域の守り神”みたいな存在。
夜中に熱が出たときや、介護と医療の間で困ったときに相談できる人なんだよ。


🐹ハムスターちゃん

それを削っちゃったら、困る人が増えそう…。


🐼パンダ君

その通り。
松本会長は「お金の話だけで医療を決めないで!」って怒ってた。
「越権行為」っていうのは、財務省が本来の役割を超えて、医療の仕組みにまで口を出したってことなんだ。


🐹ハムスターちゃん

うーん、なるほど。
お金のことばかり考えると、患者さんのことを置いてけぼりにしちゃうってことか。


🐼パンダ君

そう。
しかもね、物価や人件費が上がってるから、医療機関はどこも苦しいの。
松本会長は「もう“削る”じゃなくて、“増やす”時期だ」って訴えてるんだ。
それを「真水(まみず)の改定」って言うんだよ。


🐹ハムスターちゃん

“真水”…なんかキレイな言葉!
つまり、別のところを削って医療に回すんじゃなくて、純粋に医療にお金を足そうってことね?


🐼パンダ君

正解!
医療や介護って、人の手で支えられてるでしょ?
だから“人への投資”をケチると、現場の人が疲れちゃって辞めちゃう。
そうなると、病院も診療所も地域から消えちゃうんだ。


🐹ハムスターちゃん

うわぁ…それってまさに“医療の空白地帯”だね。


🐼パンダ君

そう。だから今回のニュースは「お金の話」じゃなくて、「命を支える仕組みをどう守るか」の話なんだ。
ぼくたち一人ひとりが「医療費を減らせ!」のニュースを見たときに、その裏にある現場の苦しさも想像できるようになったら、すごく大事な一歩だと思うよ。


🐹ハムスターちゃん

なるほど…今日も勉強になったよ。
お金の数字の裏には、“人の生活”があるんだね。


🐼パンダ君

うん。だからね、医療を“支出”じゃなくて“未来への投資”と考えることが、これからの社会には必要なんだ。


✨まとめ

  • 医療費削減は、単なる“ムダのカット”ではなく、“医療崩壊のリスク”と紙一重。
  • 財務省と日医の対立の裏には、“現場の限界”という現実がある。
  • 「真水の改定」で、人と地域を守る医療への投資を増やすことが必要。
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📚引用元

また、本記事の引用元は以下になっております。
・タイトル:日医・松本会長 財政審に抗議「医療介護提供体制維持に危機感なく極めて遺憾」 個別項目言及「越権行為」
・URL:https://www.mixonline.jp/tabid55.html?artid=79265&ex251107e