長く使われた薬の“値下げルール”が変わる?2026年薬価改定の動き


🐼ヘルスケアとお金に関わる難しいことをシンプルに解説します

おはようございます☀️ももんがパピです。
今日もヘルスケアやお金に関するニュースをわかりやすく解説して、読者の皆様方のヘルスリテラシー向上にお役に立てれば幸いです。


🩷今日のテーマに込めた想い

みなさん、「薬の値段」って、誰がどうやって決めているかご存じですか?
実はそれ、国がきっちり決めているんです。しかも、毎年ニュースになるほど大きく動く世界なんです。

2025年10月、中医協(中央社会保険医療協議会)という厚労省の会議で、「薬の値段(=薬価)」の仕組みに大きな見直し案が出ました。
特に注目されたのが、長く市場にある古い薬(=長期収載品)の値段をもっと早く下げようという話です。

「薬の値段を下げる?それっていいことじゃない?」と思うかもしれません。
でもその一方で、「新しい薬を作る企業の意欲が下がる」「安すぎると薬がなくなる」といった問題もあります。

つまり今回のテーマは、
💊「薬を安くする=国民負担を減らす」ことと、
🧬「研究開発を支える=新薬を生み出す力を守る」ことの、
両方をどう両立させるか、という“永遠のバランス問題”なんです。

今日はそんなニュースを、パンダ君とハムスターちゃんと一緒に“シンプルにわかる”ようにお話しします🐼🐹


✅3つの要点

✅① 「長期収載品」と「後発品」の関係を知ろう
薬には「新しい薬(先発品)」と「後から作られる安い薬(後発品=ジェネリック)」があります。
新薬は研究や特許で守られていますが、期限が切れると他の会社も作れるようになります。
その後、古い薬がずっと高いままだと医療費が膨らむため、国は段階的に値段を下げるルールを決めています。
この“長期収載品の値下げルール”が今回、見直しの対象になりました。

✅② G1・G2ルールとは? 「10年を5年に」前倒しの意味
今は「後発品が出てから10年後」に値下げルールが適用されます。
でも今回、「そんなに待たずに5年で適用すべき」という意見が出ました。
つまり、「もっと早く値段を下げて、医療費を抑えよう」という方向です。
ただし、製薬企業からは「新しい薬を作るお金が減る」と反対の声も。
だから「特許期間中はしっかり薬価を維持してほしい」という“セット議論”になっているんです。

✅③ 医療費の効率化と“創薬力”の両立がカギ
日本の医療費は年間45兆円を超えています。
その中で薬剤費の割合も大きく、国は「古い薬の値段を下げて新しい薬に回そう」という方針を打ち出しています。
でも、下げすぎると企業が新しい薬を作れなくなるかもしれません。
だからこそ、「どこまで下げるか」「どの薬は守るか」というバランス感覚が問われています。


💊こんなニュースをわかりやすく解説します

(2025年10月30日 MIX Onlineより)
中医協薬価専門部会は、2026年度薬価改定に向け、特許切れ後の「長期収載品」の薬価引下げルール(G1/G2ルール)を前倒しする方向で議論を進めています。
これまで「後発品が出てから10年後」に適用していたものを「5年後から」に短縮する案が出ており、製薬業界からは「特許期間中の薬価維持とセットでなければ厳しい」という声も上がっています。


🐼パンダ君と🐹ハムスターちゃんの会話でわかる薬価の話


🐹「ねぇパンダ君、G1ルールって何のこと?」

🐼「いい質問だね。たとえばハムちゃん、君が作った“世界一おいしいハムバーガー”があるとするじゃない?」
🐹「うん、もちろん。ひみつのスパイスがポイントだよ!」
🐼「そのスパイスを10年間は誰も真似しちゃいけないって決まりがある。これが“特許”だね。その間は高く売ってもいい。」
🐹「ふむふむ。」
🐼「でも10年たつと他の人も同じハムバーガーを作れるようになる。これが“後発品(ジェネリック)”。」
🐹「あっ、なるほど。似た味だけど安いバージョンが出てくるんだね。」
🐼「そう。だから君のハムバーガー(=先発薬)は売れにくくなる。国としては、“古いハムバーガーは少し値段を下げようね”と決める。それがG1/G2ルールさ。」


🐹「でもさ、それを10年も待つ必要あるの?」

🐼「まさにそこが今の議論だよ。これまでは“10年経ったら下げます”だったのを、“5年でいいんじゃない?”って声が出てるんだ。」
🐹「なんでそんなに急ぐの?」
🐼「日本の医療費が増えてるから。2025年の医療費は45兆円を超えていて、国の財政を圧迫してる。だから、後発品があるなら早く安くして節約しようってわけ。」
🐹「ふむ…確かに国のお財布も大変だもんね。」


🐼「でも企業からしたら死活問題なんだよ」

🐹「どういうこと?」
🐼「新しい薬を作るには、開発費が1つで何百億円もかかる。しかも10年以上かかることもあるんだ。」
🐹「ひぇ〜、そんなに!」
🐼「そう。だから企業は“特許が切れる前に投資を回収しないといけない”。でも、特許が切れたあとすぐに値段を下げられたら、もう回収が難しくなる。だから“特許期間中は薬価を維持してほしい”とお願いしているんだよ。」
🐹「うーん、たしかに。作る側も守ってあげないと、次の新薬が生まれなくなっちゃうもんね。」


🐹「Z2とかCとか、なんか記号みたいなのもあったね?」

🐼「そうそう。Z2ルールは“後発品が出てから5年後に値下げする仕組み”で、G1/G2よりも早いステップなんだ。」
🐹「へぇ、細かく段階があるんだね。」
🐼「でも今回の議論では、“もうZ2とかCとか細かい分類はやめて、シンプルに一本化しよう”という声もある。
つまり、“後発品が出てから5年で下げる”という明快なルールにしよう、って方向だね。」


🐹「でも安くしすぎたら薬がなくなるって聞いたことあるよ?」

🐼「そう、それも大事な問題。値段が下がりすぎると“作っても採算が取れない薬”が出てきちゃう。そうすると、会社が製造をやめて“供給不足”になることがあるんだ。」
🐹「それは困るね…。必要な薬が手に入らなくなったら大変だよ。」
🐼「だから中医協では“安定供給薬”といって、命に関わる薬や代替が難しい薬は別扱いにしようという提案も出ているよ。」


🐹「バイオ医薬品っていうのも関係あるの?」

🐼「うん、最近は“バイオ医薬品”の扱いも話題なんだ。これは細胞やタンパク質を使って作る新しいタイプの薬。普通の化学合成薬よりずっと複雑で高いんだ。」
🐹「たとえば…インスリンとか?」
🐼「そうそう!でね、これまでは“バイオAG(後発版)が出たときだけ値下げ”してたけど、これからは“バイオAGがなくても下げよう”という意見が出ている。」
🐹「へぇ〜。つまり、バイオでも公平に扱おうってことだね。」


🐼「結局、全部“バランス”なんだよ」

🐹「国民のお財布も守りたいし、企業の努力も報われてほしいし…むずかしいね。」
🐼「そう、まさに“医療とお金のバランス”だね。
薬を安くすれば医療費は減る。でも下げすぎると薬がなくなる。
だから“どのタイミングで、どのくらい下げるか”を毎年みんなで議論してるんだ。」

🐹「なるほど〜。こういうニュースって難しそうに見えるけど、生活に直結してるんだね。」
🐼「そう。薬代が下がれば患者さんの負担も減るし、保険料や税金の使い方にも関わる。
だから“薬価改定”は、実はみんなのお財布の話なんだよ。」


🌸まとめ|「医療費の節約」は“創薬力を支える仕組み”とセットで

今回のG1/G2ルールの前倒し議論は、単なる“薬の値下げ”の話ではありません。
・医療費をどう効率化するか
・新薬をどう生み出す環境を守るか
・薬を安定して届けるにはどうすればいいか

──これらを同時に考えなければならない、大きな課題です。

ももんがパピとしては、
「薬を安くすること」と「新しい薬を生み出すこと」は、どちらかを選ぶ話ではなく、両方を守るためのルール作りだと思っています。
未来の医療を支えるためにも、“安くて安心できる薬”と“希望を生む新薬”、その両方がバランスよく存在する社会を目指したいですね🌈

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📚引用元

また、本記事の引用元は以下になっております。
・タイトル:中医協 長期収載品のG1/G2ルール適用前倒し「5年」の声も 業界は特許期間の薬価維持セットで
・URL:https://www.mixonline.jp/tabid55.html?artid=79209&ex251030e