💰「破産=ビジネス」「医療=社会貢献」は矛盾か?
~無駄な検査と過剰診療、その裏にある“医療の倫理と経済”~
Contents
◆「なぜMRIを毎年撮るのか?」検査と医療費のリアル
「うちの親、去年もMRI撮ってたのに、今年もまた撮るの?」
そんな素朴な疑問を持ったことはありませんか?
私たちの多くが「医療は正しいもの」と信じていますが、その裏で進む“ビジネスとしての医療”の現実には、なかなか目を向けません。この記事では、無駄な検査や過剰な診療が生むコストと、そこに潜む倫理的な課題に迫ります。
◆まとめ
“病気の不安”に漬け込む医療は、いつか家計を壊す。
【1】なぜ、不要な検査が増えるのか?
▶事例1:「毎年のMRI」本当に必要?
脳ドックや腰痛のMRIが毎年のように行われる背景には、医療機関の“採算”があります。
ある私立病院では、1件MRIを実施するごとに約3万円(保険点数で約6000点)の収入が入ります。
患者が5人いれば15万円。仮に機械代をローンで買っていても、回せば利益が出る。
▶事例2:「経営安定のための検査推奨」
内科クリニックのある医師は「患者の不安に応える形で“ついでに”検査を追加することはある」と語ります。
だがその“ついで”が、月に何百件もあれば、それは病院経営において大きな柱に。
▶事例3:検査で異常が見つかると治療もセットに
検査をすれば何かしら異常が出やすく、それに“治療”がついてくる。これは医療費全体の膨張要因になります。
厚生労働省のデータでは、画像診断関連の医療費は過去10年で約1.5倍に増加。
【2】それって本当に「患者のため」?
▶過剰診療と“過剰な親切”の境界
医師が「とりあえず検査しておこうか」と言うと、患者は安心する。
しかしこれは“検査という名のサービス提供”でもあるのです。
小学生でもわかる例え話:
ある日、カメのカメオくんが、「ちょっとお腹が痛い」とウサギ先生の病院に行きました。
ウサギ先生は、「念のため心臓の検査も、背中のレントゲンも撮っておこう」と言いました。
カメオくんはよくわからないまま、いろんな機械に乗せられ、どんどん検査が追加されました。
帰るころには「大丈夫だったよ!」と言われたけれど、お母さんは高額な請求にびっくり。
👉まとめ:検査が多いと安心に見えるけど、“本当に必要かどうか”が大事だよ。
【3】医療費の膨張=社会コストの増加
▶国民医療費:約46兆円のうち、7兆円が検査や画像診断に
厚労省の「医療費の構造分析(令和4年度)」によると、画像診断や検査系だけで約15%を占めています。
▶制度の限界と“破産リスク”
高額療養費制度があるとはいえ、一時的な負担は重くのしかかります。
仮に入院+検査+薬代で月に30万円、限度額で15万円戻っても、手元から15万円が毎月出ていく現実があります。
【4】倫理とビジネス、その交差点
▶「医療は社会貢献」は本当か?
多くの医師・看護師は誠実です。しかし、組織としての病院は“利益を出さなければ存続できない”現実がある。
▶病院経営者の本音
「検査を減らすと収入が減る。でも患者は安心するし、問題が起きたら責任を問われる。だったらやるしかない」
これは「患者のため」と「病院のため」が同じでないことを示しています。
【5】私たちにできる“問い直し”
▶セカンドオピニオンの活用
「この検査、何のためですか?」「今、急ぐ必要がありますか?」と聞いてみることが第一歩。
信頼できる医師なら、きちんと説明してくれます。
▶医療の「見える化」サイト
- みんなの医療費(厚労省)
- レセプト情報・特定健診等データベース(NDBオープンデータ)
🧠締めの一言
「医療は正しいに違いない」と思っていた自分に、そっと問いかけてみませんか?
“安心”と“浪費”は、時にとても似ています。