米トランプ大統領とファイザーが薬価引き下げ合意|最大85%割引と700億ドル投資の真相
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こんなニュースをわかりやすく解説します(2025年10月2日のニュース)
アメリカのトランプ大統領が、世界的な製薬会社ファイザーと「薬の値段を安くする」約束をしました。
具体的には、アメリカで売られる薬の価格を、ヨーロッパや日本など他の先進国で一番安い値段と同じにするというものです。
これまでアメリカは薬の値段がとても高く、なんと他の国の10倍も払うことがあると言われてきました。今回の合意では、ファイザーがアメリカで薬を最大85%安く提供することになりました。代わりに、ファイザーはアメリカに7,000億ドル(日本円で100兆円以上!)を投資し、トランプ政権から「薬にかかる関税を3年間払わなくてもいい」という特典を受けました。
1. 薬の値段ってなんでそんなに違うの?
同じ薬でも、国によって値段が大きく違います。
例えば日本では健康保険があるので、患者さんは薬代の一部しか払わなくてすみます。
でもアメリカでは保険がない人は薬を定価で買わなければならず、その「定価」がとても高いのです。
事例:パンダ君とハムスターちゃん
- パンダ君(アメリカ在住)
「お医者さんに頭痛の薬を出してもらったけど、1万円もするんだ…。お財布がスカスカになっちゃうよ」 - ハムスターちゃん(日本在住)
「私も同じ薬をもらったけど、保険がきいて3,000円で済んだよ」
→ 同じ薬なのに、国によってこんなに差があるんです。
2. 「最恵国待遇」ってなに?
トランプ大統領が言っている「最恵国待遇」とは、「一番安い国の値段をアメリカにもそのまま適用する」というルールです。
つまり、ヨーロッパでその薬が1錠500円なら、アメリカでも同じ500円にしよう!ということ。
パンダ君は大喜びです。
「やったー!今まで1錠1000円払っていたのに、これから500円になるんだ!」
3. ファイザーが得たもの
でも、ただで薬を安くするわけではありません。ファイザーはその代わりに、アメリカに7,000億ドルも投資します。
これは「研究所を作ったり、新しい薬の開発に使ったりするよ」という約束。さらに、アメリカ政府からは「関税を3年間は払わなくてもいいよ」というごほうびをもらいました。
→ つまり「薬の値段を下げる代わりに、研究や工場をアメリカに作ってね。その代わり税金はちょっと免除するよ」という取引です。
4. 割引の具体例
政府の発表では、こんな割引がされます。
- EUCRISA(アトピー性皮膚炎の薬):80%オフ
- ゼルヤンツ(関節リウマチなどの薬):40%オフ
- ザブズプレト(片頭痛の薬):50%オフ
「最大85%、平均50%の値引き」になると言われています。
ハムスターちゃん:
「すごい割引!まるでブラックフライデーのセールみたい!」
5. 問題点もある?
でも、みんなが手放しで喜んでいるわけではありません。
アメリカの製薬業界の団体(PhRMA)はこう言っています。
- 「薬の値段を下げすぎると、研究開発に投資するお金が減ってしまう」
- 「その結果、新しい薬が生まれにくくなるかもしれない」
- 「ヨーロッパでは実際に、新薬へのアクセスが遅れる問題が起きている」
つまり、「今安くなるのはいいけど、将来のイノベーション(新しい薬の開発)にブレーキをかけてしまう可能性」があるんです。
6. パンダ君とハムスターちゃんの会話でまとめ
パンダ君:「やっと薬代が安くなるよ!これで生活が楽になる!」
ハムスターちゃん:「でも、そのぶん新しい薬が出てくるスピードが遅くなるかもしれないんだって」
パンダ君:「えっ、それは困る…。安さと新しさのバランスが大事なんだね」
7. わたしたちにとっての学び
このニュースから学べるのは、
- 薬の値段は国ごとに制度や政治のルールで大きく変わる
- 「今の安さ」と「将来の新薬」がトレードオフになることもある
- 政治とビジネスの交渉で、医療費も左右される
ということです。
まとめ
2025年9月30日、アメリカのトランプ大統領とファイザーが「薬の値段を下げる合意」をしました。アメリカの人々にとっては薬代がぐっと安くなる大きなニュースですが、同時に研究開発への影響も心配されています。
薬の値段は、わたしたちの生活や未来の医療に直結する、とても大切なテーマです。

