中国で日本人が“スパイ”とされた事件をわかりやすく説明

1. どんなことが起きたのか

アステラス製薬という会社に勤めていた60代の日本人男性が、中国で働いていました。
でも2023年3月、帰国する直前に、中国の警察に突然つかまりました。

その後「スパイ(=こっそり国の秘密を集めて他の国に伝える人)」だと言われ、2025年7月に裁判で3年6か月の刑(刑務所に入ること)が決まってしまいました。


2. 何をしたと言われているのか

実は、裁判で「この人がどんな秘密をどうやって集めたのか」ははっきり説明されていません。
でも一部のニュースでは、中国の人が「この日本人は日本の情報機関(=スパイ組織)から頼まれて中国のことを調べ、お金をもらっていた」と説明した、と伝えられています。

つまり、中国は「日本に中国の秘密を伝えたからスパイだ!」と言っているけど、証拠や詳しい説明は公開されていないのです。


3. 日本と中国の考えのちがい

  • 日本政府:「証拠をはっきり見せてほしい。もっと透明に(=ちゃんと説明して)裁判をしてほしい」
  • 中国政府:「中国は法律に基づいて処理した。ルール通りにやった」

と、お互いに主張が食い違っています。
アステラス製薬も「社員の安全を守りたい」と、日本政府と一緒に動いています。


4. なんでこんなことが増えているのか

実は中国はここ数年、「反スパイ法」という法律を強めていて、外国人がちょっと調査しただけでも“スパイ”とされることがあるのです。

たとえば、学校で「花壇の花の数を数えているだけなのに、先生から“こそこそ何してるの?悪いことしてるでしょ!”と怒られる」みたいなイメージです。
本人は宿題で調べているだけでも、先生から見たら“ルール違反”にされてしまう、そんな感じです。

だから最近は、日本人が中国に行って普通のビジネスをしているだけでも「スパイだ!」と疑われ、捕まるケースが増えているんです。


5. この事件から学べること

  • 世界には国ごとにルールがちがう
  • ある国では“普通”のことでも、別の国では“犯罪”になることがある
  • 特に中国は「秘密を守る」ということにとても厳しい

つまり、「知らなかった」では済まされない。
だから大人たちは、外国に行くときにその国のルールをしっかり調べて、トラブルを“アボイド(=避ける)”することが大切なんです。


まとめ

今回の事件は、「日本の情報を集めた」と中国に疑われたけれど、何をしたかの詳しい証拠は出されていません。
日本は「もっと説明して」と言い、中国は「法律通りだ」と言い張る。
結局その人は刑務所に行くことになってしまいました。

これはただの“遠い国の話”ではなく、「世界では自分の常識が通じないことがある」という教訓です。
私たちにできるのは、よその国に行ったときには「これは大丈夫かな?」と考えて、危ないことを避ける=アボイドの呼吸を使うことです。