🌈カミングアウトで仕事のパフォーマンスが上がる?

武田薬品のLGBTQ+調査から見えた“心理的安全性”の力


🐼ヘルスケアとお金に関わる難しいことをシンプルに解説します。
おはようございます☀️ももんがパピです。今日もヘルスケアやお金に関するニュースをわかりやすく解説して、読者の皆様方のヘルスリテラシー向上にお役に立てれば幸いです。


🩷今日のテーマに込めた想い

今日は「国際カミングアウトデー(10月11日)」に合わせて、武田薬品が発表した調査をテーマにお話しします。

「カミングアウト」と聞くと、まだ少し身構えてしまう人もいるかもしれません。けれど、これは“勇気の告白”というよりも、「ありのままの自分を職場で出せるかどうか」という、働くすべての人に関わるテーマです。

実は、誰もが“カミングアウト”しているのです。
たとえば——
「実は子育て中で夜は残業できません」
「持病があって定期通院しています」
「介護と仕事を両立しています」
これらも立派な“自分の状況をオープンにすること”。

つまり「性の多様性」だけの話ではなく、「生き方や事情の多様性」をどう受け止めるか。
それが今、企業の“心理的安全性”=安心して自分を出せる環境をつくる大切なカギになっています。

今日は、武田薬品の調査をもとに「自分らしく働くこと」が、なぜ仕事のパフォーマンスにも“お金”にも関係するのかを、パンダ君とハムスターちゃんと一緒に見ていきましょう。


✅① カミングアウトは「勇気」ではなく「安心感」のスイッチ

🐼パンダ君:「ねぇハムスターちゃん、カミングアウトすると仕事がうまくいくってホント?」
🐹ハムスターちゃん:「うん!武田薬品の調査では、カミングアウトしたあとに“自分のパフォーマンスが上がった”って答えた人が約38%もいたんだって!」

🐼:「すごいね。でもなんでそんなに変わるの?」
🐹:「だって、“隠さなくていい”って安心感があるからだよ。ずっと自分を抑えていると、エネルギーの半分は“隠すこと”に使っちゃうでしょ?」

実際、心理学でも「人は安心できる環境でこそ力を発揮できる」と言われています。
これを“心理的安全性”と呼び、Googleも生産性の高いチームの共通点として重視している概念です。
つまり、カミングアウトとは「安心のスイッチ」なんですね。


✅② “受け入れる側”が変われば、職場全体のパフォーマンスも上がる

今回の武田薬品の調査では、カミングアウトの影響を「当事者」と「当事者以外」で比べたところ——
「カミングアウトしないとパフォーマンスが下がる」と答えた割合が、当事者では45.1%、当事者以外では40.1%。
わずか5ポイントの差ですが、そこに「受け取る側の理解」の差が表れています。

🐼:「なるほど、当事者じゃなくても“カミングアウトの影響”を感じてるんだね」
🐹:「そうなの。実は“どう受け止めたらいいかわからない”って人も多いの。だから、“受け入れる側”への啓発もすごく大事なんだって」

この「受け入れる側の理解」が広がると、チーム全体の安心感も高まり、結果的に仕事の生産性=パフォーマンスが上がります。
つまり、「心理的安全性」は人を救うだけでなく、企業の“お金の流れ”にも影響するんです。
職場が安心できる場所になれば、離職率が下がり、採用コストも減る。
“人が辞めない職場”こそ、最強のコスト削減策なんです。


✅③ “制度”より“文化”が人を動かす。企業が変わると社会が変わる。

武田薬品では、2024年4月から福利厚生制度を改定し、同性婚・事実婚パートナーも正式に対象に含めました。
さらに「パートナーの親」まで家族定義を拡大するなど、制度面でも一歩先を進んでいます。

でも、制度があっても、文化がついてこなければ意味がありません。
ハムスターちゃんがこんなことを言いました。

🐹:「制度って“ハード面”だけど、心の理解は“ソフト面”だよね。ハードがあってもソフトがないと動かないパソコンみたい!」
🐼:「うまいこと言うね〜。つまり、会社の“文化OS”がアップデートされないと、制度も動かないってことか!」

企業が文化として「多様性を力に変える」ことができたら、それは単なる福利厚生を超えた投資になります。
人が安心して働ける環境を整えること=従業員のエンゲージメント(やる気)と生産性の向上=企業の利益につながる。
つまり、“心理的安全性”は経営戦略そのものなんです。


🐼こんなニュースをわかりやすく解説します

2025年10月6日に発表された武田薬品工業株式会社のニュースによると、
従業員リソースグループ「TAKE PRIDE Japan」は、LGBTQ+を中心とするセクシュアルマイノリティ当事者約1,500名を対象に、
「カミングアウトと職場パフォーマンスの関係」についてオンライン調査を行いました。

🧩調査のポイントまとめ

  • 対象:2024年「レインボーフェスタ!(大阪)」と2025年「Tokyo Pride」で回答した約1,500名
  • 方法:Microsoft Formsによるオンラインアンケート
  • 結果:
    • カミングアウト後に約38%の人がパフォーマンス向上を実感
    • 当事者の45.1%が「カミングアウトしないとパフォーマンスが下がる」と回答
    • 性の多様性を学ぶ機会があった人は64.6%
    • 設備・制度に「満足」と回答した人は22.4%、不満が27.2%、「特にない」が30.8%

調査では、「カミングアウトできる職場=心理的安全性が高い職場」であることが改めて確認されました。
つまり、“ありのままの自分でいられる環境”が、仕事の成果を生むということです。

🐼:「ハムスターちゃん、これって結局“みんなの問題”だね」
🐹:「そうだよ。性の多様性だけじゃなく、“誰もが安心して自分を出せる職場”を作ることが、幸せな社会への第一歩なんだよ!」


🌱未来に向けて:多様性は「コスト」ではなく「資産」

多様性推進というと、「コストがかかる」「面倒な取り組み」と思われがちですが、実は逆です。
人が辞めずに成長し続ける企業は、人材という最大の資産を活かしているのです。
つまり、カミングアウトを支える文化づくりは「やさしさ」だけでなく「戦略」です。

パンダ君が最後に一言。
🐼:「誰かの“ありのまま”を受け入れることは、その人の才能を開放することでもあるんだね」
🐹:「うん、そしてそれが、会社の力になって、社会の力にもなるんだよ!」


📚引用元

また、本記事の引用元は以下になっております。
・タイトル:武田薬品 従業員リソースグループによる セクシュアルマイノリティ当事者の職場パフォーマンスに関する調査結果について
・URL:https://www.takeda.com/jp/newsroom/local-newsreleases/2025/sexual-minority-workplace-performance-study/


🧭まとめ

  • カミングアウト=勇気ではなく「安心のスイッチ」
  • 受け入れる側の理解が、チーム全体の生産性を上げる
  • 多様性はコストではなく、企業の資産である

心理的安全性がある職場は、誰にとっても働きやすい。
それは「人を大切にすること」が「会社を強くすること」と同じだからです。
ももんがパピは、今日もそんな“ヘルスケアとお金の交差点”から、優しくシンプルに伝えていきます。