お薬を「メーカー直販」で売り出すってどういうこと?

1. どんなニュース?

アメリカの大きな製薬会社、BMS(ブリストル・マイヤーズ スクイブ)とファイザーが「エリキュース」という血をサラサラにする薬を、自分たちの専用サイトで直接売ることを決めました。
しかも「40%以上の割引」で提供するとのこと。

普通は「薬局」や「保険会社」を通して薬をもらいますが、今回は「工場直売セール」みたいにメーカーからそのまま買える仕組みです。


2. 例えで考えてみよう

いつもは文房具を買うときに、文房具屋さん(=薬局)を通して買いますよね。
でも、ある日メーカーが「鉛筆を直販サイトで40%引きにします!」と始めたらどうでしょう?

お店を通さないから、メーカーは余分な費用を節約できますし、お客さんに直接売れるので「お得に見える」わけです。


3. でも本当に安いの?

実はここがややこしいポイント。

エリキュースは通常月額606ドル(約9万円)ですが、直販だと43%オフの346ドル(約5万円)
「おお、安い!」と思いますよね?

でもアメリカの多くの人は保険に入っているので、実際に払っている金額はもっとずっと少ないのです。
ニュースによれば、保険に入っている人の負担と比べると、この直販価格は9倍以上高いそうです。

つまり、直販で助かるのは「保険が使えない人」や「自費で買っている人」なんです。


4. なぜ今やるの?

背景には、トランプ大統領が薬の値段を下げろ!と強く迫っていることがあります。
製薬会社としては「値段を下げてますよ」「患者にやさしいですよ」と見せるための動きでもあるんですね。


5. 他の会社も同じことをやっている

BMSとファイザーだけではなく、

  • イーライリリー(糖尿病や肥満の薬を直販)
  • ノボノルディスク(肥満症の薬を大幅値引きで直販)

など、他の会社も次々と直販を始めています。
言ってみれば「お薬直売所ブーム」が始まっている感じです。


6. まとめ

このニュースを一言でいうと、

「お薬メーカーが“直売セール”を始めたけど、得する人は一部だけ。政治の圧力も背景にある」

ということです。


生活の教訓にすると…

これって私たちの日常でも似ています。
「直売の野菜は新鮮で安い」と思っても、スーパーの特売のほうが安いことってありますよね。
つまり、「安そうに見えて、本当に得かどうかはちゃんと比べないといけない」のです。

だからこそ、私たちも「うわぁ安い!」と飛びつかず、冷静に確認する“アボイドの呼吸”が大切です。