【シンプルにわかる】国立大学病院が「診療報酬11%アップ」を求めた理由|医療の命綱が危ない!?


🐼ヘルスケアとお金に関わる難しいことをシンプルに解説します

おはようございます☀️ももんがパピです。今日もヘルスケアやお金に関するニュースをわかりやすく解説して、読者の皆様方のヘルスリテラシー向上にお役に立てれば幸いです。


🩺 この記事をおすすめする理由

ニュースって、難しく聞こえることが多いですよね。
「診療報酬がどうとか」「補正予算がどうとか」──正直、ピンとこない。
でも、その“よくわからない話”が、実は私たちの命やお財布に直結していることがあるんです。

今回取り上げたのは、「国立大学病院が赤字で苦しんでいる」というニュース。
これをあえてブログで紹介したのは、次の3つの理由からです。


✅① 難しい医療ニュースを“生活の言葉”で伝えたい

ニュースの専門用語をかみ砕いて、
「病院の経営=病院の給料」としてシンプルに整理しました。
難しい話を“自分の生活”として理解できるようにするのが、この記事の狙いです。


✅② 数字の裏にある“現場のリアル”を知ってほしい

赤字や11%という数字だけを見ると他人事に思えますが、
その背景には壊れた医療機器、人手不足、教育の遅れなどのリアルな現場があります。
数字の裏にある「人の努力と限界」を感じてほしいのです。


✅③ 医療を“支える側”の視点を育てたい

医療は、患者さんだけでなく、社会全体で守る仕組みです。
この記事を通して、「医療を支えるにはお金と理解が必要なんだ」と
少しでも感じてもらえたら、それがヘルスリテラシーの第一歩になります。


また、本記事の引用元は以下になっております。

・タイトル:国立大学病院が「診療報酬11%アップ」を求めた理由|医療の命綱が危ない!?

・URL:https://www.mixonline.jp/tabid55.html?artid=79072

🗓こんなニュース(2025年10月6日のニュースです)

国立大学病院長会議の大鳥精司会長(千葉大学医学部附属病院長)が、
「2026年度の診療報酬改定で11.0%の引き上げが必要」と発表しました。

診療報酬とは、病院が診療をしたときに国から支払われる「医療の値段」です。
この金額が上がらなければ、病院は赤字になってしまいます。

実際、全国44の国立大学病院のうち42施設が赤字見込み
その損益は400億円を超えるといいます。
電気代や人件費、薬や医療材料の値上がりが止まらず、
「壊れた機器を直せない」「教育にも影響が出ている」という声まで上がっています。


🏥診療報酬ってなに? 〜ハムスターちゃんが解説〜

ある日、パンダ君が風邪をひいて病院へ行きました。
診察を受けて、薬をもらって、会計で支払ったのは3割だけ。

残りの7割は、国(健康保険)から病院へ支払われます。
この「国が払う分」が診療報酬です。

つまり、診療報酬は病院にとっての「給料」のようなもの。
これが上がらないと、どんなに頑張っても
病院の経営が苦しくなっていくのです。


💸なぜ“11%アップ”が必要なの?

大鳥会長は、11%の内訳を次のように説明しています。

理由引上げ率内容
① 経営悪化の穴埋め3.6%2024年までに積み重なった赤字の回復
② 人件費など不足分1.8%看護師や医師の賃上げ、人手不足への対応
③ 物価・エネルギー高騰5.3%電気代、医薬品、診療材料の値上げ対応
④ 新技術への投資0.3%新しい治療法・AI・設備導入への費用

合計11.0%
つまり「ぜいたくをしたいから」ではなく、
「医療を続けるための最低限の数字」なのです。


🧩パンダ君が見た“大学病院の現実”

パンダ君のおばあちゃんが、足の手術を受けることになりました。
行ったのは大きな国立大学病院。
最新の手術ロボットがあると聞いて、みんな安心していました。

でも、手術後に先生がため息をつきながら言いました。

「もう一台のロボット、壊れたままで更新できないんです…。
予算が足りなくて。」

看護師さんも続けます。

「夜勤が増えて、人手がギリギリなんです。
休む人が出ると、残ったスタッフでまわすしかなくて…。」

ハムスターちゃんがつぶやきました。

「大学病院って、ただの病院じゃないのよ。
医者を育てたり、新しい薬を研究したり、
地域の病院を支えたりしてるの。
だから、赤字になると全部止まっちゃうの。」

パンダ君はびっくり。
「大学病院って、そんなに大変な役割を背負ってるの!?」


🔧実際に起きていること

記者会見では、全国の病院長からも深刻な声が上がりました。

  • 名古屋大学病院
     壊れた検査機器を更新できず、患者さんが予定の検査を受けられず帰宅。
  • 京都大学病院
     年間25億円必要な医療機器更新費が、
     去年は2億円、今年は“ゼロ(凍結)”。
  • 大阪大学病院
     「教育・研究も成り立たない」と院長が訴えるほどの経営難。

これらの病院は、医師や看護師を地域に派遣して
他の医療機関を支えている存在です。
大学病院が機能不全になると、地方の病院も立ち行かなくなります。


🧮どうしてこんなに赤字なの?

大鳥会長が示したデータによると、
42病院の現金収支合計はマイナス330億円
昨年よりさらに悪化しています。

赤字の原因はシンプルです。

  • 医薬品・診療材料の価格上昇
  • 電気・ガスなどエネルギー費の高騰
  • 人件費アップ(医師の働き方改革で残業削減・人員増が必要)

これらが同時に重なり、病院の経営を圧迫しているのです。
まさに「コストインフレ」による医療危機です。


🧠ハムスターちゃんの「シンプルにわかる」コーナー

✅ 診療報酬=病院の給料
✅ 国立大学病院=教育・研究・地域医療の3本柱
✅ 機器が壊れても直せないほど赤字
✅ 医師や看護師の給料も上げにくい
✅ だから「11%アップ」は“延命措置”ではなく“必須措置”


💬パンダ君の感想

「ぼくたちが病院で診てもらう裏には、
“お金のバランス”があるんだね。
ちゃんと支えないと、医療そのものが壊れちゃうんだ。」


🏛国の支援も必要「補正予算で救ってほしい」

大鳥会長は「もう来年まで待てない」と強く訴えました。
診療報酬の改定は2026年度(約1年半先)。
それまでに経営が持たない病院も出てくる可能性があります。

そのため、政府に対して補正予算での緊急支援を要請しています。

補正予算とは、国が年度の途中で追加する“特別なお金”のこと。
災害や経済危機のときに組まれる仕組みです。
今回は「医療崩壊を防ぐための緊急対応」として求めているのです。


📚文科省にも支援を要請

国立大学病院は「医療機関」であると同時に「教育機関」でもあります。
そのため、厚労省だけでなく文部科学省にも財政支援を要請。
「医師の教育・研究環境が壊れれば、新薬開発も日本から生まれない」
――大鳥会長はそう警鐘を鳴らしました。


🕊まとめ|医療を支えるのは「人」と「お金」

医療は“人の努力”だけでは守れません。
どんなに腕のいい先生や看護師がいても、
医療機器が古く、研究資金が足りなければ前に進めません。

パンダ君とハムスターちゃんが最後に言いました。

🐼「病院って、人を治す場所だけど、
  その病院を“治す”のもお金なんだね。」

🐹「そう。医療を守るって、
  仕組みを守ることでもあるのよ。」


💡今日のまとめ(シンプルにわかる)

  • 国立大学病院の赤字は400億円超
  • 壊れた機器が直せず、教育・研究にも影響
  • 経営改善には診療報酬11%アップが必要
  • 補正予算による緊急支援も求められている
  • 医療を守るのは「人」と「お金」の両輪