【病院の“自費”って何?】知らずに損する「選定療養」の正体とは?
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「この“自費”って…保険きかないの?」
ある日届いた入院費の請求書。
ざっと目を通していたあなたの目に、ふと「自費◯◯円」の文字が飛び込んできます。
「え、健康保険で入院してるはずなのに…なんで自費があるの!?」
それ、もしかすると**「選定療養(せんていりょうよう)」**の費用かもしれません。
この記事では、保険診療と混在する「選定療養」という制度の中身と、知らないと損するお金の落とし穴をやさしく解説します。
🏥「選定療養」ってそもそも何?
▶️ 健康保険でカバーされない“プチ贅沢な医療”
健康保険が適用される「保険診療」は、全国どこでも同じルール・同じ金額で受けられる医療です。
一方、「選定療養」は保険診療の中に“ちょい足し”される特別なサービス。
患者の希望や医療機関の体制により、**一部が自己負担(自費)**になります。
💡選定療養の主な例(2025年現在)
内容 | 自費になる理由 | 相場の目安 |
---|---|---|
特別療養環境室(個室) | 保険適用外の“快適さ” | 1日 5,000〜20,000円 |
200床以上の病院の初診料 | 紹介状なしで受診した場合 | 約7,000円前後 |
時間外診療の希望 | 患者都合での時間外利用 | 数千円程度 |
歯科での特別材料使用 | 自由診療に近い材料 | 内容により異なる |
👉「え、そんなところに費用発生してたの!?」という項目も多いのが、この制度の怖いところです。
🧸たとえ話|「選定療養」は“新幹線のグリーン車”みたいなもの
普通の新幹線(=保険診療)でも目的地には着きます。
でも「せっかくだからグリーン車(=快適な個室)に乗りたい」と思ったら、追加料金(=自費)が発生しますよね。
「選定療養」も同じ。
命に関わる部分は保険で守られますが、「ちょっといいサービス」には、自分で払う必要があるという仕組みです。
❗注意点:「同じ治療なのに病院によって費用が違う!?」
そうなんです。
**選定療養費は医療機関ごとに“自由に金額設定ができる”**ため、たとえば個室料金は病院によってバラバラ。
🧾 ある事例:
都内A病院の個室料 → 1日 11,000円
郊外B病院の個室料 → 1日 5,500円
しかも、事前説明があっても“あまり覚えていない”まま請求されるケースも多いので、要注意です。
🧓「親の入院」で直面した“自費地獄”
60代の主婦・Y子さんのケース。
「父が倒れて入院。忙しくて病室の確認をしないまま入ったら、あとで1日12,000円の個室だったことが発覚!
10日間で12万円の自費、まさに青天の霹靂でした……」
このように、知らずに選定療養を選んでしまっている家族も少なくありません。
💰“損しない”ための3つのポイント
① 病院で「選定療養の説明書」をもらう
→ 入院前に必ずもらえる資料。
金額・対象項目が書いてあるので、家族で確認を。
② 「個室希望しません」と事前に意思表示
→ 空き状況によっては希望しなくても個室になることも。その場合も「同意書があるか」を要確認。
③ 請求書の「自費項目」をチェック
→ 内容に不明点があれば、必ず病院窓口で確認を。医療費控除の対象になる可能性もあります。
📌選定療養と“混合診療”はどう違うの?
選定療養は「保険診療と一緒にできる自費サービス」で合法。
一方、“混合診療”は原則NGであり、制度外の自由診療と保険診療を同時に行うことは禁止されています。
✅まとめ|知らなきゃ損!選定療養の落とし穴
- 保険診療でも「選定療養」で自費負担が発生することがある
- 個室や紹介状なしの受診などが対象になる
- 病院によって金額が違い、説明も不十分なケースも多い
- 「知らないうちに10万円単位の出費」になりかねない
🚶♀️今できる行動:病院に入る前に“説明書”を確認しよう
選定療養は「納得して選ぶ」ことが大前提。
家族が急に入院する事態でも、あわてずに「病室の種類」「料金の有無」「説明書の存在」を確認することが、医療費トラブルを防ぐ第一歩になります。
「うちはまだ先の話」なんて言ってると、請求書が届いたときに目が飛び出しますよ!